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誰かに支払いをするときに

ある専門家に仕事を依頼している。

しかし、仕事の範囲と費用についてはまだ正確に同意していないまま、仕事だけが進んでいる。

できれば支払いの額は少なくしたいけれど。。。

どう「お金を支払う」か?
どう「コストをかける」か?がテーマです。
Nさん

(前略)

ポイントはふたつあります。


まずひとつめ。
わかりやすく、御社に関係のない話をしましょう。


世の中にはネットショップとよばれるお店があります。
代表的なのは楽天モールの中に出店しているお店です。

ホームページだけでビジネスをしているところもあれば、
実店舗を持っている会社が販路の一つとして楽天というインターネット販路を利用しているケースもあります。

楽天だけではありません。
アマゾンのアフィリエイトサイトを作っている人もいます。


いろんな商品の紹介サイトを作って手数料収入を得ようとする
いわゆるアフィリエイターという人もいます。


これらを全部ひっくるめて、ネットショップと呼びます。


さて、これらのネットショップ。
実にその90パーセント以上のお店がネット経由の売上ゼロです。

本当にゼロです。


その一方で、月の売上が1千万円を超えるお店があります。


月の売上ゼロのお店と、月の売上1千万円のお店。
どっちがいいでしょう?


そう聞かれると多くの人は「そりゃ後者でしょう」と言います。


でも本当でしょうか?


ネットショップで月に1千万円売り上げているところは平均的に800万円~900万円の
広告費をかけているのが普通です。
(それだけかけなければならない、というわけではないので誤解されませんよう。)
(中にはほぼ広告費をかけずに同じか、その何倍もの売上を上げている会社さんもありますから。)


中には、売上が1千万円で広告費が1200万円という企業もあります。


多くの人はこの事実を知りません。
その結果、「ネットだけで月の売上1千万円!」と聞くと「すげ~っ!!!」という反応をします。

でも、その分、売上を上げている会社は広告費を使っていることが多いのです。
(趣味的なブログで少々儲けているという個人は別ね。)


 


ところが、ネットショップに参入してくる人や企業の多くは、
「ネットなら元手をかけなくても売れるだろう」と思っています。

そして、そういう人たちは広告費をほとんど使いません。


その結果、90パーセント以上のショップがずーっと売上ゼロです。

ちなみに彼らは広告費も出しませんから、広告費もゼロです。


Aのショップは売上もゼロ、広告費もゼロ。

Bのショップは売上は1千万円、広告費は900万円。


どちらがいいでしょうか?

実際はどちらがいいか悪いかではなく、前者はビジネスではないというだけのことです。
もちろん、ビジネスとして発展することはたぶんありません。
(ただし、前者の人たちは自分たちがビジネスをしていると思っています。
そして毎日「なんで売れないんだろう?」と首をひねっています。)

 


では、

Cのショップは売上は1千万円、広告費は900万円。100万円の利益、黒字。

Dのショップは売上は1千万円、広告費は1200万円。200万円の持ち出し、赤字。


どちらがいいでしょうか?


これも一概にどちらとは言えません。

今の瞬間だけ見れば、Cのほうがいいように思いますが、Dのショップは
「使える広告媒体」と「使えない広告媒体」を見極めるために、短期的に
広告費を突っ込んだのかもしれません。

もしくは、単に何も考えずに広告費を突っ込んで、その結果、費用を回収できなかっただけなのかもしれません。


逆もまたしかりです。
Cの会社はたまたま今月は利益が出ただけなのかもしれません。
彼らがもし、広告媒体の精査ということをしていなければ、来月は広告費は今月と同じ900万円でも
売上は300万円に激減しているかもしれません。

 

実際はどうなのかを判断するためには、1か月分とか2か月分のその会社の状況(売上の経路、費用の中身など)
を知らなければなりません。


もちろん、お金を使うだけ使って回収ができない状態を続けるならば、その会社は遅かれ早かれつぶれます。


ですので、最終的には、利益が残る会社(売上は1千万円、広告費は900万円の会社)しか生き残りません。



ただし、生き残った会社にも選択肢があります。


選択肢のひとつめは、このまま月の利益100万円の会社として存続すること。

選択肢のふたつめは、かけた費用とそこから返ってきた売上の額との対応関係をしっかり精査して、費用は少なく、
売上は多くなるように少しずつ調整していくこと。


後者の選択肢をとった会社は、そのうち月の売上は1億円、広告費は5千万円というようになっていきます。

以前、お話しした私のクライアントさんはこのタイプで、
現時点では月の売上は5億円、広告費は1億円くらいになっています。
「例の食品」を売っている彼女です。


ただし、それもこれも、最初のころに売上を作ることに注力したからです。

つまり、

Cのショップは売上は1千万円、広告費は900万円。
Dのショップは売上は1千万円、広告費は1200万円。

のどちらかの状況からスタートしたからです。


それを証拠に、彼女と同じ時期に同じようなビジネスを始めた人で、
昔も今も変わらず、広告費はゼロ円だけど売上もゼロ行進継続中という人はゴロゴロいます。

私は彼女が今の売上を作っていく真横にいたので、彼女が売上のほとんどをそのまま広告費に横流ししている時代を覚えています(笑)



おわかりでしょうか?


払う費用を少なくしたい。

 

これは一見、まっとうに聞こえる言葉ですが、実際は視野が狭いだけかもしれません。

いくら費用がゼロだったとしても、ビジネスをしている以上、売上がゼロでは
何もしていないのと同じことなのですから。


払う費用については、こういうバランス感覚が必要なのです。

 


ふたつめのポイントです。

これはひとつめのポイントとも少々関係しますが、相手に「これだけ払います」と提示する額を決める際には、
その額から何を得るのか、何を得たいのかを考えておかなければなりません。

御社のように上場していて、しかも今回のように規模の大きな取り組みになると、何を得るのか、得たいのかを考えるのも少々大変ですが、
でも、それがないと額の提示もできませんし、もし仮に軌道修正が必要なことになった際にも
判断基準がないから
「このままこの人にお願いしていたらダメだから変えよう」という決断もできません。


こないだは、「依頼したい仕事の内容を書きだして、それをもとにそれらの仕事に対していくら払うつもりなのかを
考えるといいよ」とお伝えしましたが、それより大きなくくりでも、最終的に何を手に入れたいと思っているのか
という自分の中にある期待を整理するといいですね。

先ほどのネットショップの例で言えば「売上をいくらにしたいのか」を決めるということでもあります。


売上を1千万円にしたい。

だから広告費は900万円かける。

 

売上を1千万円にしたい。

だから、今月は赤字になるけど、広告媒体の見極めのために広告費に1200万円かける。


ということです。


一方で、"あわよくば"を期待する人は、
売上を1千万円にしたい。
そして広告費は出したくない。
というように考えます。

そして、ずーっと売上ゼロ行進街道を突き進みます(笑)

 

間違えてはいけないのは、


============================
売上を1千万円にしたい。

だから、今月は赤字になるけど、広告媒体の見極めのために広告費に1200万円かける。
============================


という状況と

============================
売上を1千万円にしたい。

だから、バンバン広告費使ってたら広告費が1200万円になって、今月も赤字になっちゃった。
(だってあるインターネット長者が「広告費を使え!」っていうから。。。でも、来月も広告で赤字になったら嫌だなぁ。。。)
============================

という状況は、まったく違うということです。

 

そして、私がおすすめするのは、売上を上げるために必要な費用はしっかりかけつつも、 でも赤字も絶対に回避するという考え方です。

つまり、
============================
売上を1千万円にしたい。

だから広告費に900万円かける。
============================

という考え方、もしくは、


============================
売上を1千万円にしたい。

だから、利益はギリギリまで削っていいから広告媒体の見極めのために今月は広告費に999万9千円かける。
============================


という考え方、もしくは、すこし広告媒体が精査できてきた暁には

============================
売上を1千万円にしたい。

だから、今月は、これまで反応率が高かった広告媒体だけに絞って広告費を500万円かける。
============================

という考え方、などです。

 

いずれにしても、ビジネスの世界では先に費用が出ていくのです。

その費用を売上で回収するのがビジネスなのです。


だから、費用を使う先を決めるときには慎重になるし、
逆説的ではありますが、十分な費用をかける必要があるのです。


このバランス感覚はなかなか体得するのが難しいですが、少なくとも
「できれば払いたくない」というスタンスでではなく、「たとえいくらであろうと、お金は払います」というスタンスで払う額を決めていけば体得するまでの時間短縮はできるでしょう。

ただしその前提は「費用を少なくしたい」という思い(お金がなくなることへの恐れ)で
あってはなりませんが。


はっきり言ってしまえば御社は今、なんで売上があがっているのかがわかっていない状況です。


だから今のうちに、
なんで売上があがっているのかがはっきりわかるように、
そして、その内容を再現できるように、
再現のためのポイントとツールと要素を整理することが大切なのです。


 

なんでもかんでもにお金を使えばいいってもんじゃない。

でも、なんでもかんでも締めればいいってもんじゃない。

払うところにはドカンと払う必要がある。

けど、払わなくていいところにはたとえチョロっとだとしても払わないほうがいい。


こういうバランスなのよね。

むずかしいね(笑)

 

Nさんの場合には、給料もらいながら、売上を作っていく仕事をするわけだから、
最初はちょっとポジション取りが難しいかもね。

でも、売上を作っていくなからか、給料も増やしていくわけだから、自分の手元に入るまで少しの時間差があるだけで、基本的にはビジネス・売上を作っていく人の考え方でやるといいと思いますよ。

がんばってください。


ではでは。
また何かあったらご連絡ください。
定例の際に声かけて頂いてもかまいませんから。

一條



 









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